灰色の景色

働きはじめて1年半、いまでもよく休むが、起床や出勤に苦労することは減った。睡眠には苦労しているが、薬を飲まずに寝付けることが多くなった。そうすると自ずと不眠恐怖は薄れて来て、眠れないと焦ることも少なくなった。週に二、三度ほとんど眠れない日があるくらいで、概ね二時には寝付く。

家と職場の往復以外のことはあんまりしてない。定期的に会う人というと主治医くらいだ。mixiやふたばに書き込んだりはしているけれど、掘った穴に叫ぶような不毛な行為であることはわかっている。寂しいが人にあわせるのは辛い。わがままだが気力がない以上どうしようもない。


眠れないときには考えたくないことを考えてしまう。去って行った人たちのこと、不遇な今のこと、暗い将来のこと。自分の意思で動けない現在、あまり考えてもどうしようもないのだ。転職準備するとか、辞表の下書きをするとか考えるべきだと思うのだが、それは怖い。ブラックでも一応の居場所がある今が奇跡的な状態だと思うと、なかなか次とはいかないものだ。考えるのから逃げるためにネットしたり漫画を買ったりしているが、ひとときの慰めに過ぎず、残されるのは冴えない自分であることにうんざりしている。心が荒んでいるのだ。

いま、自分には灰色の風景しかみえない。よろこびも悲しみも、すくった砂のように自分の手をすべり滑り落ちていく。拾い集めることも新たに探すこともできずにただ失うのを傍観している。変えたい気持ちとまた落ちる恐怖。この二つの不安の中で宙ぶらりんのまま。何かしないとと焦るばかり。心の安らぎのために。