悪習を断ち切る

受験時代に勉強に身が入らないから回線を切断してPCを破壊したことがある。あの時は携帯電話もなかったから完全オフライン、書籍からしか情報が取れなくした。灰色の予備校生活の中での楽しみは、書店によってちくま学芸文庫を立ち読みすることだった。漫画はすぐに読み終えてしまうわりには高かったので立ち読みで済ませて、本は基本図書館。でもどうしても必要な、参考書などの「使う」本は買う。こういう感じで僕の情報に関しての態度が形成されていったように思う。

ネットを見ていると自分にとってなじみのある、好ましい情報ばかりをダラダラみてしまう。金のかからない娯楽ではあるのだが、対価を支払わないで済む分、充実感も少ない。見ているだけのROMに徹していると、取るに足らない観客の一人であるという自己意識が強化されていく気がする。卑屈になった時にも応えてくれる場所はネットにはあるが、そういうところにはまると抜け出す気力も同時に奪われていく。

そういうわけで、寝ながらいじくっていたノートパソコンは封印することにした。しばらくは置いておいて、時がたったら外出用の端末にするつもりだ。ベッドの上でネットを見るという習慣そのものを根絶しなくてはならないが、いままで使ってきたものを触れば自動的にダラダラモードになってしまう。とにかく、自分の負の習慣の染みついたものは、なるべく遠ざけて、いい習慣のスイッチになるようなものを周りに置いておこう。

究極のところ、必要ないものは一切持たないほうがいいのだ。はぴらきさんみたいに必要最小限のもの以外は捨ててしまいたいという欲望はある。けれども、無いと買う人間だから断捨離は慎重にすべきだろう。本当に必要なものか吟味しないと買わないという厳格なスタンスが求められるが、僕の薄弱な意志では鉄の自制心は望むべくもない。少しずつ整理していくのがベターだろう。